メディア・アート演習 

Elico Suzuki

 

電子工作基礎

私の授業でやること:電子回路の基礎の基礎からarudinoの基礎の基礎をやります。
時間があまったら身近にあるものを材料にして、それを制御したりおもしろい音をだすことをやってみる。

電子工作とArudino、こんなイメージ


テスターを使う、簡単な回路をつくる

 テスターを使ってみる


 - 電圧をはかる
  電池の電圧を測る
  - テスターの上のスイッチをVー、トグルを2Vにあわせる、あるいはテスターのトグルをV→2Vにあわせる
  - 黒い測定棒を電池のマイナス、赤い測定棒を電池のプラスにあてて電池の数値をみる。1.5Vになっているか確認

  電池ケースに2本入れて電池の電圧を測る
  - テスターの上のスイッチをVー、トグルを20Vにあわせる、あるいはテスターのトグルをV→20Vにあわせる
  - 黒い線に黒い測定棒、赤い線に赤い測定棒をあてて数値を確認する

- 抵抗値を測る
  抵抗とは、電流を調節したり、電圧を分圧したりする部品
  - テスターの上のスイッチをΩ、トグルを2KΩに合わせる
  - 抵抗の両端に測定棒(色や向きは気にせず大丈夫)をあてる
    - 抵抗のカラーコードの読み方 www.nteku.com/teikou/teikou_colorcode.aspx

抵抗値のよみかた。黒から白へ色相順に、0から9、
左から、1の位と2の位を表す。3番目は桁数。黒なら×0、茶なら×100、赤なら×1000。
4番目の金色は誤差。
5本筋がはいっているのものは金属抵抗で、3の位が真ん中に追加になっている。



美大生とものぐさが便利につかえる抵抗値を読むサイト:http://bake-san.com/led020.htm

可変抵抗の抵抗値を確認:3本の足のうち、端ふたつの足をワニ口クリップでつまみ、テスターではかる。



つまみを回転させると値が変わるのを確認する

1) R1 : 中央と左足
2) R2 : 中央と右足 の 2ルートに分けて、電流を配分できる。

すなわち、 R = R1 + R2 となる。 よって、 ・
右に回すと抵抗が大きくなる、 ・
左に回すと抵抗が大きくなる、 のどちらでも選んで使える。

 簡単な回路

 - LEDを光らせる、導電テスト、電流を測る

  電池(マイナス・黒い線)→ワニ口→抵抗→ワニ口→LED→(プラス・赤い線)電池 につなげて光るか確認する
  ほとんどのLEDの足は長いほうがプラス、みじかいほうがマイナス(普通の電池と同じ(でっぱってるほうがプラス))
  20mA程度の電流で光るので、それ以上の電流を通すと焼き切れる。適した抵抗をいれる。LEDのデータシートを見て抵抗を計算する
  
  ※LEDの抵抗値の出し方
  (電源電圧-順電圧値)÷流したい電流値(A)=抵抗値(Ω)
        - 美大生とものぐさに便利な計算サイト http://akizukidenshi.com/catalog/contents1/led-r-calc.aspx

  


回路図



- 導通テスト
テスターの上のスイッチをΩ、トグルをサウンド、あるいはダイオードに合わせ、まず最初に測定棒同士をつけると音がなる、あるいは液晶の数値がかわることを確認する
抵抗につないでいるワニ口とLEDにつないでいるワニ口に測定棒をあわせて、音がなるか、数値が代わるか確認
電気が通るものであれば音がするかので、電気が導通しているか確認できる。音がならなかったり、1(無限大)と表示されたら導電していません。

- 電流をはかる
  電流は回路の中をながれる電流をはかります。回路を組まなければはかれません。
    テスターの上のスイッチをA、トグルをmAに合わせる、またはテスターの上のトグルをA→トグルをmAに合わせる
    抵抗とLEDの間のワニ口をはずしてワニ口のかわりに測定棒を接続する。
    →テスターをあてたときの電流が、LEDに流れる電流です
    →テスターを介して電気がながれているので扱いには注意してください。扱いをまちがえるとテスターがこわれます。



ブレッドボードを使う

ワニ口クリップで作ったLED回路をブレッドボードで組んで見ます

ブレッドボードについて


 穴のあいたプラスチックの後ろに、金属の畝があってその畝どおりに線をさすと、金属が裏でつながっているところには電気が流れる仕組み。
 なので、違う畝のところにさしても電気はながれません。

サンハヤト(製造元)のサイトです

ブレッドボード、それぞれのラインの両端にジャンプワイヤーを指し、導電確認をしてみましょう。

ワニ口クリップで作った回路を、ブレッドボードに置き換えてみます。

抵抗を可変抵抗に変えてみる

ボタンをつけてみる



※タクトスイッチの正面に注意。足の付根が見えている方を手前にします。


 

モーターにとりかえてみる

モーターの端をワニ口クリップでつまんで、反対側のワニ口をジャンプワイヤーをつまんで、ジャンプワイヤーをブレッドボードにさしてみてください

ボタンをおすとオンオフできる

可変抵抗をまわすと、光り方や速さがかわる

ではこれを自動で制御するには?


Arudinoを使う

PC用の入出力デバイスとしてもつかえるし、単体でもつかえる便利なツールキットです。

小柳さんが、Maxのデバイスとして使う方法を後半でやります。私のほうでは、単体で使う方法を先にやります。

 

Maxとの連携をすると、PCの音や映像と、デバイスを連携できます。便利。
PCの入力は、キーボードやマウスが基本的ですが、自分でいろいろな入力デバイスがつくれます。 出力も、モニターだけではなく、光、音などいろいろできます。




Arudinoとは

オープンソースハードウェア・ソフトウェア、学習/開発環境のツールキット。クリエイティブ・コモンズ・ライセンスで使うことができます。
ハードウェアは、秋月電子、千石電商、amazonそのほかで買えます。
ソフトウェアは以下からダウンロードしてください。
https://www.arduino.cc/en/Main/Software
https://www.arduino.cc/にはサンプルや回路の組み方などもたくさんのっています。

Arudinoは USBからの電力、あるいは7〜12V(1A)のアダプタで動き、GNDがあります。GNDは、回路のGND(−)につなぐこと
Arudinoから5Vあるいは3.3Vの電源を供給することができます

- Arudinoにはデジタル、アナログ入出力があり、センサーやスイッチの入力、モーターやLEDなどの出力を制御します。
- C/C++で書いたプログラムをArudinoのICにコンパイルすることによって、PCからはずして動作させることができます。
- ライブラリFirmataを使うことによって、PC側のjavascript やMax/MSPで書いたアプリケーションと同期させて動作させることができます。

- arudino自体は3000円くらいで買えますが、オープンハードウェアなのでいろいろ安価なものがあります。私が良く使っているもの(※コンパイルに工夫が必要なのでmacで使うときは注意 参考)。

- 美大生がやりたいことレベルならだいたいがサンプルソース(ファイル→スケッチ例)で賄えるような気がします。ソース内に回路図など、チュートリアルのurlがあるので、時間を見つけて自分で上から試してみるのをおすすめします。

- この二冊は超おすすめ。自力で制作するためにも持っておくとよいです(研究室にもあります)
arudinoをはじめよう
Prototyping Lab


- ArudinoとPCをUSBケーブルで接続します。
- LEDの+側を、arudinoの13番ピンに、マイナスをGNDに指します。








DisigalWriteを使ってみる
Arudinoを接続してLEDを点滅させる(プログラムの書き換え)

ではLチカをしましょう

手順

3) Arudino IDEを立ち上げます。

4) Arudinoの接続を、ツール→シリアルポートで確認します



5) ファイル→スケッチ例→01 Basicから"Blink"を選びます



6) ソースをチェックし、コンパイルしましょう




ArudinoはPCからの電源で駆動しますが、プログラムを書いたあと、PCから抜いて 7V〜12VのACアダプターや、電池(9V)、携帯のバッテリーなどをつないでも大丈夫です。そのとき、2つの電源をささないように注意してください

コードの書き方の基本

・ void setup(){} が初期化(一回だけ実行)
・ void loop(){} が処理(繰り返し実行)
・ // と入れると1行コメントアウト(プログラムの中で参照されません)
・ /* */ でかこむとまとめてコメントアウト
・ 処理の最後には必ず ; をつける
・ {}はかならず閉じること

注意
※Arudinoを認識しないときは:
- シリアルポートでusbを認識しているか確認する。
- シリアルポート に出てくる設定を全部試してみる。
- それでもだめなら、ArudinoのUSBケーブルをさし直す
- それでもだめなら Arudino IDEを閉じて再度立ち上げる
- それでもだめなら、arduinoに接続していた線をすべて抜き、usbもさしなおしてシリアルポートを確認する
- それでもだめなら、arduinoに接続していた線をすべて抜き、usbもさしなおしてArudino IDEを閉じて再度立ち上げる
- それでもだめなら、コンピュータを再起動
- それでもだめなら、コンピュータのネットワーク設定か、Arudinoに問題があります。

原因
- 回路に問題がある場合。電流が逆流してArudinoの安全回路が作動し、PCと繋がらなくなることがあります。その場合はArudinoにささっているワイヤをいたんすべて外して接続確認します。
- Arudinoに問題がある場合。Arudinoがつながるコンピュータにさしてみて、問題のArudinoが動かないようであればArudinoに問題があります。その場合はArudinoをとりかえてください
- Arudinoはちゃんと動く場合。コンピューターのネットワーク設定に問題があることがあります。違うアカウントを作ってそこにArudino IDEをインストールし、テストしてみてください。

そのほか注意
※LEDのGND側と+側を間違えないこと。光りません。

   コードについて:pinMode関数日本語リファレンス)は、Arduinoマイコンが持っているデジタル入出力ピンの設定をします。
   "LED_BUILTIN"は、ボード上に標準搭載されているLED=ビルトインされているLED,という意味で、ArudinoUNOの場合は13番ピンが兼ねています。別のピンをつかうときは、ここを書き換えます。



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